【レゴ】生成AIを使ってサイバーパンクな建物を作ってみた
釣りタイトル乙!
こんにちは。ホレスです。
はじめに
僕は「最新のモノ大好き!」という態度を装って生きているのですが、実際のところは割と保守的な人間です。
生成AIについても例外ではなく、同僚がAI似顔絵をSlackのアイコンに設定したり、そもそも彼らが機械学習の専門家であることを横目に、へえすごいなあと思っているだけでした。
話は変わり、6月のJBFで燃え尽きた僕は、レゴのアイデアが何も思い浮かばず、悶々とした生活を送っていました。
そこで「インターネット」「書籍」「実体験(旅行とか友達との会話とか)」に次ぐ、第4のアイデアソースとして、「画像生成AI」が使えるのではないかと考え始めました。
ちょうど同じ頃、Brickworld 2023というイベントで、「New Hashima」(サイバーパンクジオラマ)の最新バージョンがお披露目されました。
カッコいいなあ。これ、画像生成AIに助けてもらえば、僕でもサイバーパンクな建物を作れるのでは?(傲慢)
とはいえ、AIが生成した建物をそのままレゴで再現するのは、あまりに芸がありません。
今回は上の仮説にのっとり、サイバーパンク作品の隠し味として、AKIRAやブレードランナーに代表されるような、東アジア的な要素を入れてみることにします。
本題
というわけで、今回は生成AIの力を借りて、レゴを作っていきます。
お世話になる生成AIは、「Stable Diffusion XL」と「Reimagine XL」です。
Clipdropという、上記2つの開発元が提供する環境を使うことにしたので、月額1300円を支払います。
ローカルで動かすためのマシン代や、インターフェイスの開発工数を考えるとかなり格安ですね。
Reimagine XLを使おう
Reimagine XLは、学習させた画像と類似の画像を生成してくれるAIです。
試しに、昨年のホレスの証明写真を学習させてみましょう。(なんか最近老けた)
ハゲてやつれたホレスが生成されました。
私生活のストレスで、数年後にはこうなっているかもしれません。
それでは本番。
「東アジアのゴチャついた建物」を生成したいので、3年前に撮った地元の建物の写真を学習させます。
生成を何度か繰り返し、採用したのはこの辺り。
特に右上の画像は、建物の概形(ボリューム)を決める上で大きなヒントになりそうです。
Stable Diffusion XLを使おう
Stable Diffusion XLは、指定した単語の組み合わせをもとに、画像を生成してくれるAIです。
先ほど生成した建物は地味だったので、サイバーパンク要素のヒントをもらいたいところです。
生成を何度か繰り返し、採用したのはこの辺り。
まあ、足りなければまた生成すればいいので、あまり心配せずに次へ進みます。
早速レゴで作ってみる
さて、生成AIの助けを借りて、サイバーパンクな建物のアイデアソースが揃いました。
インターネットの海や古本屋を徘徊しなくとも、狙うところドンピシャのアイデアソースを得ることができるのは、AIを活用する大きな利点ですね。
(まわり道でしか得られない収穫も当然ありますが、それに関してはトレードオフです。)
早速、Studioを開いて作品を作っていきましょう。
生成AIのおかげで制作のハードルが下がったので、「自宅で大量に余らせているパーツを使う縛り」にして、難易度を調整します。
特にヘリキャノピーは、せのう君から3年前に20個くらい貰って以降、一度も使っていません。そろそろ出番を。
AIで生成した画像(主に地元の建物を学習させたやつ)と海外ニキネキの作品を参考に、だいぶ形ができてきましたが、ここで詰みました。
自分では何も思いつかないので、また生成AIに頼ります。
こういう形とかいいんじゃない?
サイバーパンクというよりはスペーシーな意匠ですが、このままいくとただのボロい建物になりそうなので、ここでSF感を主張していきます。
内装も作っていきます。
裏テーマは「電脳◯活CLUB」です。
某配信者が、ふざけた店名でInternet Cafe Simulatorをプレイしていたその日から、いつかディストピアなインターネットカフェを作ると決めていました。
こちらは、AIが生成した「2090年のインターネットカフェ」です。
今回は店内が狭いので、このバイブス全体を取り入れることは難しいのですが、可能な限り参考にしていきます。
それから、僕の尊敬するAbeが「すべてのサイバーパンクシティで、より多くの自販機が必要だ(意訳)」と発言していたので、自販機も作っていきます。
なお、脳裏に浮かんだのはコカ・コーラの自販機ではなく、RUST(ゲーム)の自販機でした。
というわけで、完成しました。
電脳快活CLUBです。
背面。
僕が尊敬するレゴファンたちの作品には遠く及びませんが、悪くないのではないでしょうか?
自宅で大量に余らせているヘリキャノピーは、屋上のFuturistic温室(Instagramの海外ニキ命名)に使いました。
せのう君…やったよ……。(ここ泣けるシーン)
建物の中には(極秘のネットワークに接続できる)コンピュータと、漫画(の世界にダイブできる電脳マシン)を完備しているので、快活CLUBの条件は満たしています。
RUSTカラーの自販機からは、百合ボイスが吹き込まれたカセットテープを購入できます。(VCR RUSTのくだり)
Relightを使おう
最後に、月額1300円払っているんだから使わなきゃソンソンということで、Clipdropの「Relight」という生成AIも使ってみます。
これを使うと、既存の写真にあとから光源を追加できます。
一気にB級SF映画っぽくなりました。
これはこれでアリ?
まとめ
というわけで、生成AIを活用してレゴを作った話でした。
所感としては、序盤の「キックオフ期」と、中盤の「何をやってもうまくいかない期」に、AIが提示してくれる幅広いアイデアソースがとても役立ちました。
逆に、それ以外の期間においてAIの出番は特になく、自力でベストプラクティスを見つけ出すしかありませんでした。
人間とAIの典型的な分業モデルですが、作るのは楽しかったのでオッケーです。
私たちは画像生成AIを主にブレインストーミングの場面で利用しています。
世界で活躍している建築家も、ちょうど似た形で生成AIを活用しているようです。
みなさんもアイデアソースに困ったときは、AIに頼ってみるのも悪くないのではないでしょうか。
くれぐれも、他者のインスト販売の機会を奪ったり、露骨な盗用になったりしないようお気をつけください。
他者の画像を学習データに利用することに違法性はありませんが、他者のビジネスや権利を侵害しかねない使い方はアウトです。詳しくはおググりください。(敬語)
今回の作品は、実物が完成したときに、改めて別記事で詳細をご紹介しようと思います。
物流にトラブルがなければ、10月28日(土)に開催される「第7回 レゴブロック作品展示会 in 梅小路」で展示する予定ですので、関西にお住まいの方はぜひお越しください。
Q. そういえばこの作品はどうなったの?
A. チョイ待ちで……
作品の制作過程や、↑のようなボツ作品を定期的に公開していますので、ご興味のある方はInstagramのフォローをよろしくお願いします。
そりでは!