【Said the Skyとか】2022年の良曲50選

毎年恒例行事。

今年よかった曲を50個紹介します。

Melodic Bass / Melodic Dubstep

1. Said The Sky & Olivver the Kid - Forgotten You

Said the Skyのアルバム『Sentiment』は、過去のどんなメロディックベースのアルバムよりも新規性と一貫性、そしてエモやポップパンクとエレクトロニックの融合において優れていると感じました。

その中でもこの曲は、本人がいちばんお気に入りであると発言している通り、繊細でありながらも確かなステートメントが感じられる仕上がりです。

2. Said The Sky & Motion City Soundtrack - Blue Eternal

アルバム『Sentiment』では、Said the Skyが少年時代に憧れていたであろう、2000年代半ばに活躍したバンドとのコラボレーションが実現しました。

特にこの曲は、2000年代半ばのポップパンクの空気感と、美しいメロディックベースのバランスが優れていると感じました。曲の締め方がお気に入りです。

3. Said The Sky & ILLENIUM - Walk Me Home (Blanke Remix)

原曲は海外のレビュアーに「EDM界のADTR - If It Means A Lot To You」と評されていましたが、こちらはBlankeがリミックスした1曲です。

原曲を尊重しつつドロップにBlankeらしいメロディラインを加えたり、その空気感を壊さない範囲でブレークにヘヴィなサウンドを持ち込んだりと、とにかく「気が利いた」リミックスで、聴いていると晴れやかな気持ちになりました。

4. Blanke - Stuck On You (feat. Donna Tella)

ダブステップにフューチャーベース、ドラムンベースからミッドテンポまで何でも器用にこなせるBlankeですが、今年リリースされたEP『Land Of The Wayfarer』は、メロディックベースに焦点を当てた待望の1枚でした。

特にリードシングルにもなったこの曲は、サウンドの重すぎない主張が絶妙で、王道をゆく構成ながら新鮮な気持ちで聴き入ってしまいました。

5. Adventure Club & Boss Mode - Infinity (feat. Kindred)

何年も待ちに待ったアルバム『Adventure Club - Love // Chaos』が、今年ようやくリリースされました。

昨年以前にシングルカットされていなかった曲のなかでは、サウンドの組み合わせに新規性を感じられたり、『Skrillex - Rock n Roll』のサンプリングが心に刺さったりした、この曲が最も印象に残りました。

ヘヴィなファーストドロップを経由しつつ、次第にメロディックに収束させていく構成は、聴いていて自然と引き込まれました。

6. Jason Ross - Too Young For Forever

アルバム『Jason Ross - Atlas』は、彼の前作と比べても明らかにサウンドが進化していました。

特にこの曲は、メロディックベースとトランスの両方を一貫して制作してきた彼にしか作れないように感じました。

ロディックベースが自然とトランスに移行していくコンパクトな構成は、聴いていて本当に気持ちいいです。

7. ARMNHMR, Nurko & Micah Martin - Won't Make a Sound

ドリームコラボです。

Micah Martinのボーカルを主役に据えつつ、Nurkoのシグネイチャー的なサウンドもしっかり感じられる仕上がりで、改めてARMNHMRっていいな…と思いました。

8. ARMNHMR & Abandoned - Can't Let You Go (feat. Rynn)

ARMNHMRとAbandonedのコラボレーションはまったく予想していなかったので、リリースされたときは本当に嬉しかったです。

初期メロディックダブステップの空気感をいい意味で引きずっているようなAbandonedのサウンドと、それを聴きやすくまとめ上げるARMNHMRの技量は、とてもシナジーがあると感じました。

9. ARMNHMR, Synymata & Medyk - Lonely Nights (Oliverse & Franky Nuts Remix)

昨年に引き続き、OliverseとFranky Nutsの仲良しコンビが登場です。

フロアに特化しているかと思いきや、ちゃんとリスニングでも楽しめるダブステップがさすがです。リリースされたときは友達と大喜びしました。

10. The Prototypes - Oxygen (Franky Nuts & Oliverse Remix)

もうこの2人はグループ結成しちゃいなよという気持ちではありますが、こちらは前作よりも王道をゆくダブステップです。

聴いていてとにかく楽しいですし、ちゃんとフロアにも映えそうなのがいいですね。

11. Dabin & William Black - Ready (Ray Volpe Remix) [feat. Try to Find Me]

今年リリースされたRay Volpeの曲といえば、EDC LAで最も流された曲『Laserbeam』を思い浮かべる方が多いかと思いますが、僕はこちら派でした。

ヘヴィなサウンドと聴きやすさのバランスがとれていて、すぐに彼のプロダクションであるとわかる仕上がりがさすがです。ギターの音を活かしているのもいいですね。

12. Rameses B & Laura Brehm - Don't Need You

2012年リリースの『Rameses B  - I Need You』のVIP的な1曲です。

クラシックなメロディックダブステップの様相をまといつつ、2022年に違和感なくハマっている仕上がりが絶妙でした。

13. KEPIK & Meggie York - Clearer Now

正直なところ、KEPIKがOpheliaからEPをリリースして、さらにそのクオリティがここまで高くなるというのは想像していませんでした。

ボーカルがドロップのメロディとシームレスに繋がっている点や、ラストのギターリフの主張がかなり気に入りました。

14. JVNA - Dystopia (MVSE Remix)

個人的には原曲よりもこちらのほうがハマりました。

王道のメロディックベースながら、ピアノの音色をうまく入れて重すぎない仕上がりになっているのがいいですね。

15. Abandoned, Nytrix & DVRKCLOUD - Tides

当初の予想通り、めちゃめちゃシナジーのあるアーティストの組み合わせでした。

AbandonedとDVRKCLOUDはSeven Lionsからの影響が強いように感じていて、そこにNytrixのエモーショナルなボーカルが加わることで、全編クリーンボーカルなのに激重、そして厨二病的にカッコいいという仕上がりでした。

16. Space Laces - Splinters

全世界待望のEP『High Vaultage』のなかで、僕が最も気に入ったのはこの曲でした。

そもそもこの曲は昨年リリースのミックステープの最後を飾っていて、それを何度も何度も聴いていたので、こうして正式にリリースされたのは本当に嬉しかったです。

これぞエレクトロニック!という王道の1曲ながら、細かなサウンドデザインにSpace Lacesの職人技が詰め込まれていて、聴き疲れないのに聴きごたえがあるといった仕上がりでした。

カッコよさでは2022年トップです。

Electro House / House 編

17. Martin Garrix, Dubvision & Shaun Farrugia - Starlight (Keep Me Afloat)

彼の新作アルバム『Sentio』は、全編イヤミのない王道のエレクトロハウスながら、EDMブームの時代よりもはるかに進化した世界を見せてくれました。

特にこの曲はShaun Farrugiaのボーカルが見事で、誰が聴いてもハッピーに盛り上がれる仕上がりになっています。

正直なところ、2022年にもなってこんなにMartin Garrixのアルバムを聴くことになるとは予想していませんでした。

18. Martin Garrix & DubVision - Oxygen (feat. Jordan Grace)

再び『Sentio』より、Martin GarrixとDubvisionのコラボ曲です。

ひねりがないエレクトロハウスと言えばそうなのですが、単にフェスで盛り上がるだけでなく、家でじっくり聴いても楽しめる1曲になっています。

19. Kosling ft. Robbie Rosen - Lonely Days

王道のプログレッシヴハウスを作り続けるKoslingが、今年もいい曲を作ってくれました。

Robbie Rosenのボーカルの主張も強すぎず、「こういうのでいいんだよ」的なプロダクションが一周まわって見事です。

20. Matt Jadon - Wish

Matt Jadonのハウストラックは、派手に目立ちはしないものの、毎回クオリティが安定しているので安心して聴くことができます。

ピアノハウスはもう少し硬派な仕上がりになることが多いですが、この曲は女性ボーカルの声質やコンパクトな構成のおかげで、かなり聴きやすいように感じました。

21. Snowk - I Can't Hide (feat. 大和田慧) [VIP Mix]

日本人グループのSnowkによる、自身の楽曲のVIPです。

R&B寄りの様相を漂わせつつも、きちんとハウスとして成立しているバランスが見事で、何度も聴いてしまいました。

Electro Pop / Dance Pop編

22. Porter Robinson & League of Legends - Everything Goes On

昨年リリースの『Porter Robinson -  Nurture』も素晴らしかったのですが、Virtual Self名義での活動を終えてからの彼の楽曲では、これが最も気に入りました。

繊細ながら明確に耳に残るメロディ、そして聴きやすいながら切実なメッセージが込められているボーカルの組み合わせから、彼の世界観をじゅうぶんに感じることができました。

23. Gryffin, Blanke & Eyelar - Colors

Blankeの存在感は控えめながら、Gryffinひとりではこのサウンドにならないわけなので、いいアーティストの組み合わせだなと感じました。

『Blanke - Land Of The Wayfarer』で一貫していた彼のメロディックな一面をまた見れた気がして、聴いていてとても満たされた気持ちになりました。

24. SABAI, Caslow & Exede - Ready for Love

今年はSABAIのプロダクションの質が上がりすぎて、新曲がリリースされるたびに驚いていました。

特にこの曲は、Caslowの柔らかいサウンドやExedeの優しいボーカルとのシナジーが抜群で、エレクトロニックとしてもポップとしても魅力的な1曲でした。

25. Nick Smith - Night Shift

彼のようなアーティストを、Monstercatはさらにフィーチャーすべきと思わされた1曲です。

特に最後のコーラスの立体的なサウンドデザインは見事で、Nick自身のボーカルの印象が際立つ仕上がりでした。

26. SadBois, Tom Konway & Livingston Crain - Better Off

多くのアーティストが、メロディックベースとエモ、ポップパンクを融合させようと試みているなか、この曲はLivingston Crainのボーカルを含めて見事でした。

2000年代のポップバンドが好きだった人に聴かせて、感想を聞いてみたくなります。

27. Slushii - Smoke

Slushiiが今年リリースの『A Slushii Summer』で、2017年リリースの『Out of Light』の系譜にあるサウンドに戻ってくるとは予想していませんでした。

この曲は、Slushii自身のボーカルが見事なうえ、全体の構成に4つ打ちがうまく落とし込まれていて、2018年リリースの『Charlie Puth -  The Way I Am (Slushii Remix)』を彷彿とさせました。

Drum & Bass編

28. Netsky & Montell2099 - Broken

2020年の『Second Nature』からしばらく音沙汰なかったNetskyですが、ついに期待にバッチリ応える1曲をリリースしてくれました。

Netskyらしいドラムンベースサウンドを展開しつつ、Montell2099のボーカルが全体のミステリアスさを強調していて、さすがのクオリティでした。

29. Oliverse - Turbulence

YouTubeティーザーを見たとき、ダブステップトラックの2回目のドロップがドラムンベースになっているパターンかなと勘繰ったのですが、リリースされたのはバッチリ100点満点のドラムンベースでした。

ボーカルはOliverseの聴き慣れたサウンドデザインで仕上げられているのに、そこに乗っているのはドラムンベースというのがいい意味で違和感を生み出していて、聴いていて楽しめる1曲でした。

30. Delta Heavy - Heartbeat (feat. DJ Rae)

ドラムンベース界の大物であるDelta Heavyですが、個人的にこの曲は『Kaleidoscope (2017)』と同じくらいハマりました。

レイヴブレイク感のあるフューチャークラシックなサウンドと、ドラムンベースが相性抜群で、新規性のなかに懐かしさがある1曲でした。

31. Grafix - Synchronic

Grafixのアルバム『Half Life』は、彼の世界観が十二分に反映されたアルバムでした。

特にこの曲は、2019年リリースの『Acid Generation』を彷彿とさせる硬派かつラピッドファイヤなサウンドで、小刻みなドラムとシリアスなボーカルのサンプルがいい役割を果たしていました。

32. Foreign Concept, SLAY & Roxiie Reese - Vibe

リキッドドラムンベースに、女性のボーカルと男性のラップで構成されたR&Bを乗せた、チルながらフロアにも映えそうな1曲です。

「Tell me what's the vibe?」の歌詞がクセになり、何度も聴いてしまいました。

Post Hardcore / Electronicore編

33. ILLENIUM - Shivering (feat. Spiritbox)

いまや大物アーティストであるIlleniumと、注目株のポストハードコアバンドであるSpiritboxのコラボです。

両者ともに昨年リリースのアルバムが見事だっただけあり、ドロップのギターリフ以外にも、聴きどころが盛りだくさんの仕上がりでした。

34. Dayseeker - Dark Sun

Dayseekerのアルバム『Dark Sun』は、デスボイスよりもクリーンボーカルの存在感が目立つ作品でした。

なかでも表題になっているこの曲は、重厚なギターリフと電子音、そして4つ打ちのバランスが絶妙で、彼らの新たな才能を垣間見た気がしました。

35. Dayseeker - Crying While You're Dancing

アルバム『Dark Sun』より、ファンからの評判が最もよかった1曲です。

メランコリックながら、明確なステートメントがあり、彼らのメロディックなポストハードコアの真髄を感じられました。

36. Fairlane & Kala - Lights Out

FairlaneとKalaのEP『V』は、全編を通してメロディックベースとエモの融合に情熱が注がれた傑作でした。

『Said the Sky - Sentiment』と同じくLowlyからのリリースでしたが、この曲はいい意味で繊細すぎず、エモーショナルなサウンドが魅力的でした。

37. Fairlane & Kala - 5 Years

『Fairlan & Kala - V』は、サウンドだけでなく、メンタルヘルスをテーマにした歌詞にも一貫性があるEPでした。

特にEPの最後を飾るこの曲は、コーラスの「I'm not dead anymore」という歌詞にKalaの切実な思いが込められているように感じられて、心を打たれました。

38. GG Magree - Already Dead

『GG Magree - Dichotomy』は、ベースミュージックに2000年代の女性ボーカルのエモの世界観を付与させた、特異かつクオリティの高いEPでした。

特にこの曲は簡潔な構成ながら、バンドライクなギターやドラムの使い方、ドロップの迫力に圧倒されました。

39. if found, nøll & damnboy! - Die 4 U

今年はif foundの才能が爆発した1年だったように思います。

ベースミュージックにここまでのグルーヴ感を持たせられるのはさすがですし、安易にギターリフに頼らず、ドラムの音色にもこだわりが感じられる点に惹かれました。

40. Essenger - Bloodsucker

オルタナティブロックとベースミュージックの融合については、有名どころではLinkin Parkが2012年に『Living Things』で試みていたり、近年では2020年の『Mike Hawkins - Blackout』なんかは素晴らしかったのですが、この曲も先駆者に負けない魅力を持っています。

サウンドとボーカルに迫力がある反面、全体は2分半という簡潔な構成で、聴きやすくもある点がお気に入りです。

41. Becko - Home

今年はBeckoがシングルを連発し、才能を暴走させていました。

ブレイクビーツ、ポストハードコア、エモ、ネオトランスを縦横無尽に融合させ、彼独自のポスト・エレクトロニコア的なサウンドを生み出しています。

特にこの曲には、現在の彼が好んでいる手法がすべて詰め込まれている気がして、2000年代のSF的な未来観も感じさせる点が好きです。

HipHop / Pop編

42. BROCKHAMPTON - All That

惜しくも解散してしまった大人気グループのアルバム『The Family』より、R&B寄りの1曲です。

アルバムとしては13曲目の表題曲あたりから続く、KevinがBROCHMAPTONへの思いを語っていく流れが心に刺さったのですが、楽曲単体ではこの曲が最も印象に残りました。

43. BROCKHAMPTON - MAN ON THE MOON

BROCKHAMPTON 真のラストアルバム『TM』より、Kevinの父親について歌った1曲です。

それなりに暗いバックグラウンドを歌詞で提示しつつ、それを4つ打ちの楽観的なサウンドに乗せるという絶妙なバランスが気に入りました。

ヒップホップの観点からだけでなく、ダンスミュージックとしても評価されるべき曲だと思います。

44. Drake - Flight's Booked

『Drake - Honestly, Nevermind』は、ラップとハウスの融合が見事なアルバムでした。

この曲も基本的には4つ打ちで進行するものの、『Floetry - Getting Late』のサンプリングからもわかる通り、R&B寄りの要素も強めで、2011年のアルバム『Drake - Take Care』を彷彿とさせる点が気に入りました。

45. Waterparks & blackbear - FUCK ABOUT IT

なんともファン層がかぶっていそうなスーパースターたちのコラボです。

1度聴いただけでメロディが耳に残りますし、コーラスの後にラップのパートを挟む手法はWaterparksの作風とマッチするので、この2組はシナジーがあるなと思いました。

46. Heather Sommer - The Way a Friend Would

ロディックベース界隈で引っ張りだこのHeather Sommerですが、シンガーソングライターとしても一流です。

特にこの曲は、メンタルヘルスや自分の見え方について深く掘り下げた歌詞が、楽曲に独自の魅力を与えています。

47. Mori Calliope × 星街すいせい - CapSule

日本語詞と英語詞の掛け合いが楽曲の全体に力強さを与えていて、2人のシナジーが引き出されている点が気に入りました。

トラップ風のビートから4つ打ちへの切り替えも見事で、プロデューサーであるDECO*27の魅力も十分に感じられました。

48. 中村さんそ - あの子の終末論

『中村さんそ - 中村さんそと夢の続きで』は、彼女のキャリア全体を通しても特にクオリティの高いアルバムだったように思います。

カワイイ系とかダンスミュージックとかの括りをすべて置いておいても、この曲には彼女のシンガーソングライターとしての魅力が詰まっていました。

49. Astrale & Arkane Skye - Eyes

僕が『Said the Sky - Sentiment』に次いで、今年たくさん聴いたアルバムは『Astrale - Aural』でした。

楽曲単位では『See』や『Fine // Alright』のクオリティが特に高かったのですが、いずれも昨年末にシングルでリリースされていたので、それらを除くとこの曲が最も印象に残りました。

AstraleとArkane Skyeの優しいボーカルと、チルながら芯のあるサウンドの相性が抜群で、ただただ良質なポップでした。

50. Astrale - Heavy

アルバム『Astrale - Aural』の最後を飾る1曲です。

コーラスのメロディを繰り返すシンプルな構成ながら、Astraleのチルなボーカルが心に沁みて、何度も何度も聴いてしまいました。

まとめ

BROCKHAMPTONが解散してしまったので、来年はbearfaceのソロプロジェクトに期待しています。実現可能性はあまり期待できませんが、希望は捨ててはならない!

あとはFox StevensonとBecko、Illeniumの次回アルバムにも期待しています。

そりでは!